施術ベッド、消耗品、広告費、家賃……。サロンや院を経営していると、毎月いろいろな支払いが発生します。これを現金や口座振替でバラバラに払うのは、正直もったいない。支払いをカードにまとめるだけで、ポイント・経費の見える化・資金繰りが一度に整います。しかも年会費で身構える必要はありません。紹介する2枚のうち、1枚は永年無料。もう1枚も、使い方しだいで無料になります。
結論:セラピストこそ、支払いはカードにまとめよう
私自身、サロンや院の経費はすべてクレジットカードに集約しています。理由は2つ。1つは明細がそのまま経費の記録になり、経理が圧倒的にラクになること。もう1つは、カード決済で新NISAの積立投資ができて、しかもポイントまで貯まること。「ただ払うだけ」だったカードが、経営にも資産形成にも効いてくれます。
現金と違うのは、盗まれても取り戻せること
ポイントや経理のラクさより、先に知っておいてほしいメリットがあります。現金は落としても盗まれても、基本的に戻ってきません。誰のお金だったかを証明する手立てがないからです。サロンや院は釣銭や売上金で現金を扱う場面が多いぶん、ここは地味に効いてきます。
カードは違います。紛失や盗難に気づいてカード会社に連絡すれば、不正に使われた分は補償されます。三井住友カードは「不正利用のご申告をいただいた日から遡って60日前までの利用について損害を補償いたします」、楽天カードも「紛失・盗難をお届けいただいた60日前にさかのぼり、それ以降の損害額を弊社が負担いたします」と公式サイトに明記しています(2026年9月に確認)。つまりおよそ2か月ぶんをさかのぼって取り消せるということです。
ただし、無条件で戻ってくるわけではありません。公式サイトに書かれている条件は次のとおりです。
裏を返せば、守ることは「すぐ気づく」「暗証番号を守る」「人に渡さない」の3つだけです。そして「すぐ気づく」ために効くのが、支払いを1枚に寄せておくこと。明細が1か所に集まるので、月に一度そこを見るだけで、身に覚えのない請求に気づけます。現金の管理にはこの仕組みがありません。
※補償の条件・範囲はカード会社ごとに異なり、変更されることがあります。詳しくはお持ちのカードの公式サイトと会員規約をご確認ください。
最初の1枚は「年会費無料」でいい
最初の1枚なら、年会費無料のカードで十分です。年会費が永年無料のカード、または条件を満たせば無料になるカードを選べば、持っているだけで損をすることはありません。そのうえで大事なのは、事業の支払いを1枚に寄せること。何枚持っているかより「分けて使う」ほうが、経理にはずっと効きます。
そのうえで、私が最初に使い分けていたのが、次の2枚です。役割がはっきり違うので、優劣ではなく使い分けだと思ってください。
※年会費・還元率・特典の条件は変更されます。申し込み前に必ず公式サイトで最新の条件をご確認ください(本記事の数字は2026年9月時点で公式サイトを確認したものです)。
おすすめ①三井住友カード ゴールド(NL)|経費を寄せる主役
私が事業の支払いを集約していたのが、このカードです。通常の還元は200円につき1ポイント(0.5%)ですが、本当の価値は年間100万円を使ったときに起きることにあります。年会費は5,500円(税込)。ただし年間100万円を利用すると、翌年以降の年会費が永年無料になり、さらに毎年10,000ポイントの継続特典が受け取れます。年間100万円なら、通常の5,000ポイントと合わせて15,000ポイント=実質1.5%の還元です(初年度は年会費5,500円がかかります)。
私自身、年間100万円を超えたので年会費はすでに無料になっていて、継続特典の10,000ポイントも実際に受け取りました。家賃や仕入れ、広告費といった「毎月必ず出ていくお金」をこのカードに寄せていくだけで、100万円のラインは思ったより早く見えてきます。加えて、対象のコンビニや飲食店でスマホのタッチ決済を使うと7%還元になるので、日々の細かい支払いもここに寄せると効いてきます。旅行のときは、海外・国内旅行傷害保険が最高2,000万円付いていて(旅費などをこのカードで払うことが条件)、国内の主要空港のラウンジも無料で使えます。
つみたて投資は「前年いくら使ったか」で還元率が変わる
このカードをもう一段お得にしているのが、SBI証券のクレカ積立です。カードで投資信託を買えて、その金額にポイントが付きます。上限は月10万円。還元率は前年のカード利用額で3段階に分かれ、前年100万円以上なら1.0%です。私は月10万円を積み立てているので、受け取るのは年12,000ポイント。一般カード(0.5%)との差は年6,000ポイントになります。
ひとつ注意点があります。クレカ積立の金額は、年会費が無料になる「年間100万円」には算入されません。100万円は、家賃・仕入れ・広告費といった普段の支払いで積み上げる必要があります。積立をカード払いにする方法と、1%を取るための条件は投信の積立は、クレジットカードで払える|払い方を変えるだけで年1%のポイントでくわしく解説しています。
おすすめ②楽天カード|年会費がずっと無料で、普段使いにも◎
もう1枚は楽天カードです。年会費が永年無料で、持っているだけのコストがゼロ。「使わない月があったらもったいない」という心配がいりません。還元は100円につき1ポイント(1%)で、条件なしでこの水準なのは素直に優秀です。楽天市場での買い物は条件によって最大4倍になり、テーピングやコルセット、消耗品をネットでまとめ買いするサロンや院とは相性がいい1枚です。
楽天証券でクレカ積立をする場合は、販売手数料が0.4%未満の投資信託で0.5%の還元です。海外旅行傷害保険も最高2,000万円付いています(旅行代金などをこのカードで払うことが条件)。
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使うときの3つの注意点
便利なカードも、使い方を間違えると逆効果です。次の3つだけは必ず守ってください。
無理にすべてをカードに寄せる必要はありません。現金でしか払えないものは現金で払い、領収書を残せば大丈夫です。「寄せられるものから寄せる」くらいの温度感で十分。記帳や確定申告そのものが不安なら、記帳代行に任せて施術に集中するのも一つの手です。
カードは「払う」だけの道具ではありません。同じ支払い、同じ積立額でも、通す場所を変えるだけで1年後に受け取るポイントが変わります。派手な裏技ではなく、毎月必ず出ていくお金の通り道を整える。それだけの話です。まずは1枚、経費の集約から始めましょう。
よくある質問
- サロンや院の支払いはカードに集約。ポイント・経費の見える化・資金繰りが一度に整う
- 最初の1枚は年会費無料で十分。永年無料か、条件を満たせば無料になるカードなら持ち出しゼロ
- 三井住友カード ゴールド(NL)は年間100万円で年会費が永年無料+毎年1万ポイント
- クレカ積立は月10万円まで。前年100万円以上なら1.0%。ただし積立分は100万円に算入されない
- 分割・リボは使わない。事業用と個人用を分け、会計ソフトと連携する
※年会費・還元率・キャンペーンは変更されます。申し込み前に必ず公式サイトで最新条件をご確認ください。
