整骨院の開業には、いくら必要?
整骨院を開業するには、一般的に1000万円ほどかかると言われます。自宅で届け出をして機械を最小限にすれば安く抑えられますし、逆に内装・機械・立地にこだわれば2000万円を超えることもあります。
どんな院にするかで金額は変わりますが、ここではよくある「1000万円」をどう用意するかを、現役で整骨鍼灸3院+エステを経営してきた立場から解説します。ポイントは、お金だけでなく「信用」も一緒に貯めることです。
開業準備は「3つのステップ」で進める

やることはシンプルで、次の3ステップです。順番に見ていきましょう。
ステップ1:毎月コツコツ貯める(3年で360万円)
まずは毎月10万円ずつ貯めていきます。3年で360万円。単純ですが、これが1000万円規模の開業の土台になります。
毎月10万円が厳しければ、年数を延ばして月5〜6万円でもOK。一番大事なのは「毎月ほぼ同じ額を、淡々と貯め続ける」ことです。後で説明しますが、これがそのまま”信用”になります。
ただ、開業という明確な目標がないと、毎月の積立はなかなか続きません。まず「いつ・どんな院を開くか」というゴールを先に決めておきましょう。
ステップ2:開業1年前に「商工会議所」へ相談に行く
開業予定地の商工会議所に相談に行きます。商工会議所は非営利の経済団体で、地域の事業者を応援してくれる組織。年会費1万円程度から入れて、デメリットはほぼありません。
ここで最初にやるのが事業計画書の作成です。職員さんは知識が豊富で、計画づくりを一緒に手伝ってくれます。この事業計画書が、次のステップの融資をぐっと通りやすくしてくれます。
担当者によって差はありますが、初めて開業する自分より遥かに詳しいので、まずは相談してみるのがおすすめです。合う・合わないは行ってみて判断すればOK。会費も安く、デメリットが少ないので積極的に使いましょう。
ステップ3:「日本政策金融公庫」か「信用金庫」で借入相談
商工会議所と相談しながら、お金を借りる相談に行きます。借入先は、国が運営する「日本政策金融公庫」か、地元の「信用金庫」が定番です。
なぜ大手銀行ではないのか? 大手銀行は小さな事業者を相手にしにくく、3期分の決算書を求められたり、少額だと借入自体ができないことが多いからです。
- 信用金庫:株主の利益より「地域社会の利益」のために活動する組織。地域に根ざす整骨院と相性◎
- 日本政策金融公庫:小規模事業者・中小企業の支援を目的とした政府系金融機関。創業時に低金利で貸してくれる
「自己資金」が、あなたの計画性を証明する

ここでステップ1の積立が効いてきます。一般に、必要資金の2/3を金融機関が融資し、残り1/3は自分で用意します。そして金融機関は、この自己資金を「どうやって貯めたか」まで見ています。
たとえば、自己資金300万円を親から借りて用意しても、銀行は「計画性に不安あり」と判断して貸してくれません。一方、3年間コツコツ積み立てた通帳は、「開業後も計画的に返済できる人だ」という何よりの証明になります。
『計画的にお金を貯めています。開業した後も、計画的に返していけます』——通帳が、これを語ってくれる。
借入相談では通帳を見せます。ギャンブルなどの不自然な出費や、開業直前の親族からの急な入金があると計画性を疑われるので、お金の流れはキレイに保っておきましょう。
「信用」を毀損しないための注意点

いざ開業というとき、足を引っ張るのが自分の借金や信用情報です。次の点に気をつけてください。
- 生活費のための借り入れはNG(奨学金など理由が明確なものは問題なし)
- 携帯電話の分割払いも”借入”として金融機関に見られます
- 法人設立時、定款の事業内容に「投資」を入れると借入できなくなることがある(貸したお金が投資に回ると疑われるため)
定款はあれもこれもと書きがちですが、借入を考えるなら「投資」の記載は慎重に。計画性を見られるので、無駄な借金もなるべく避けておきましょう。
まとめ:お金と一緒に「信用」を貯めよう
- 整骨院の開業資金は1000万円規模。2/3を融資・1/3を自己資金で用意するのが基本
- 毎月コツコツの積立が、そのまま「計画性=信用」の証明になる
- 商工会議所 → 公庫/信金の順で相談を進めるとスムーズ
- 借金・携帯の分割・定款の「投資」記載など、信用を毀損する落とし穴に注意
慌てて開業直前にお金をかき集めると、資金不足や借入NGで詰んでしまいます。開業を考え始めた”今”から、3年計画でお金と信用を積み上げる——これが、持たざる者が確実に開業する王道です。
「自分の場合、何から始めればいい?」と思ったら、開業準備の伴走もしています。一人で悩むより、経験者と一緒に進める方が確実です。

