健康保険の個人請求のやり方②【発送編】|保険者別の送り方を解説

「申請書は作れた。でも、どこへどう送ればいいの?」。個人請求でいちばんつまずきやすいのが、この“発送”です。作った書類を保険者ごとに仕分けて、正しい宛先へ、期限までに郵送する——ここまでやって、やっと1か月の請求が完了します。ただ安心してください。発送のルールは意外とシンプル。国保連合会への送り方さえ覚えれば、あとはそれより簡単です。

亜由美先生
亜由美先生申請書はそろったんですけど…保険証っていろんな種類がありますよね。全部バラバラに送るんですか?
篠原先生
篠原先生いいえ、送り先は大きく3パターン+医療助成だけ。仕分けのコツさえつかめば、毎月ルーティンでこなせますよ。
目次

発送編は「請求のゴール」。全体の中の位置を確認

個人請求は、ざっくり「準備 → 印刷 → 発送」の3ステップで進みます。前編【準備編】でそろえた申請書を、レセコンで印刷し、保険者ごとに封入して郵送する。この記事で解説する発送は、いわば1か月の請求の“ゴール”にあたる工程です。

① 準備
② 印刷
③ 発送

送り先は、保険証の種類で決まります。まず全体像として、①国保・後期高齢者 ②協会けんぽ ③組合・共済など ④医療助成の4つに仕分ける、と覚えておきましょう。ひとつずつ、送り方を見ていきます。

① 国民健康保険・後期高齢者医療

いちばん量が多く、送り方に決まりがあるのがここ。国民健康保険(保険者番号6桁)後期高齢者医療(8桁・39で始まる)は、患者さんの住む市区町村がバラバラでも、同じ都道府県の「国保連合会」にまとめて送ります。どの申請書がどこ宛てかは、レセコンが自動で判別して印刷してくれるので安心です。

封入するときの並べ方にはルールがあります。総括票Ⅰ → 各市区町村ごとの総括票Ⅱ+レセプトの順に重ね、まず国保の束、続けて後期高齢の束、という順番で封筒に入れます。枚数が多くなりがちなので、レターパックライトなど追跡できる郵送方法が安心です。

⚠️ 市区町村の役所へ「直接」送るのはNG。国保・後期高齢は必ず国保連合会へ。誤って自治体へ送ると戻されますし、内容の返戻(差し戻し)も国保連合会経由で届きます。

② 協会けんぽ

会社員やその家族が多く使う健康保険。各都道府県に1つずつ支部があります。送り方は国保連合会よりずっと簡単で、総括Ⅰ+総括Ⅱ+レセプトを、都道府県ごとに封筒へ分けて入れるだけ。北海道の患者さんは北海道支部、大阪の患者さんは大阪支部、というイメージです。市区町村単位で分ける必要はないので、国保連合会の作業に比べると封入の手間はぐっと軽くなります。

③ 健康保険組合・共済組合・防衛省

大企業の組合健保、公務員の共済組合、自衛官などがこれにあたります。上記①②以外は、基本この方法。申請書(請求書)+レセプトをワンセットにして、それぞれの組合へ直接送付します。宛先は保険証に書かれた保険者名から調べます。数としては最もシンプルです。

保険証の種類で「仕分け先」が決まる
作った申請書を仕分け 国保・後期 国保連合会 県ごとに まとめて1つ 協会けんぽ 各支部 都道府県 ごとに1つ 組合・共済 各組合へ 保険証の 保険者へ直接 医療助成 自治体窓口 様式が 地域で違う
まずは4つのトレイに仕分けるイメージ。量が多いのは左の「国保連合会」だけ。
国保・後期高齢:同じ県の国保連合会へまとめて送付。総括Ⅰ→市区町村ごとの総括Ⅱ+レセプトの順に、国保の束→後期の束で封入。
協会けんぽ都道府県ごとの支部へ。総括Ⅰ+総括Ⅱ+レセプトを県別の封筒に。連合会より手順が少なくラク。
組合・共済・防衛省:保険証記載の各組合へ直接。請求書+レセプトをセットで送るだけ。最もシンプル。
医療助成自治体ごとに窓口も様式も違う。請求書・総括が不要なことも。事前に役所ページで要確認。

④ 医療助成(自治体で扱いが変わる)

子ども・ひとり親・障害者などの医療費助成は、市区町村ごとに取り扱いも様式もまちまちです。たとえば東京都なら、マル障(障害者)は都の医療助成担当へ、マル親・乳・子は各市区町村へ、というように送り先が分かれます。請求書や総括票が不要なことが多いのも特徴です。

注意したいのが対応エリア。開業地の対象外(他府県から来た患者さん)の助成は、院から請求できないケースがあります。取りこぼしや二度手間を防ぐため、開業地の役所ページを必ず確認しておきましょう。

篠原先生
💡 迷ったらここだけ押さえる

覚えることは1つだけ。「国保・後期は国保連合会にまとめる」——ここさえ間違えなければ大丈夫。協会けんぽ・組合は保険証を見て送るだけ、医療助成だけ地域ルールを確認、と考えれば迷いません。

発送スケジュールと締め日

柔道整復の療養費は、施術した月ごとに、前月分をまとめて翌月に請求します。受付の締め日は保険者や連合会によって差がありますが、多くは毎月10日ごろ。この日までに“届く”よう逆算するのがポイントです。郵送日数も考え、月初のうちに封入・発送を済ませておくと安心です。

毎月のリズム(施術月 → 翌月10日ごろが締め)
施術した月 1か月分の申請書を作成 翌月に発送 10 日ごろ 締切に “届く” 郵送日数を見て月初に発送
締め日は毎月やってくる。1日でも遅れると原則“翌月回し”。月初発送を習慣にしよう。

発送前のチェックと控えの残し方

スムーズに送るために、事前にそろえておきたい準備物があります。とくに宛名(タッグシール)が印刷できるレセコンかは要チェック。宛名を毎月手書きするのは大きな負担ですし、書き間違いは返戻の原因にもなります。個人請求をするなら、宛名印刷に対応した会社を選ぶのが失敗しないコツです。そして意外と見落としがちなのが、送ったあとの控え。ここを残しておくかどうかで、後々の安心感が大きく変わります。

タッグシール(宛名)を印刷:レセコンに宛名印刷機能が必要。手書きは手間もミスも増える。導入前に対応を確認。
封筒に自院情報を記載:院名・住所・登録記号番号などをスタンプでOK。毎月使うのでゴム印を作ると早い。
保険者ごとに封入:混ざらないよう仕分けてから封入。枚数が多い束はレターパックライトなど追跡便が安心。
控えを残す:送る前にコピーやPDFで保管。返戻・照会に備え、発送日と追跡番号も記録しておくと安心。
亜由美先生
亜由美先生控えって、そこまで必要ですか?作るの、ちょっと面倒で…。
篠原先生
篠原先生返戻が来たとき、控えがないと何を送ったか分からなくなるんです。発送日と追跡番号のメモだけでも、後で必ず助かりますよ。

万一、宛先を間違えて送ってしまったら、早めに送付先へ連絡を。そして——毎月この作業、正直大変ですよね。締め日・宛先・仕分けを一度チェックリスト化すれば、翌月からぐっと楽になります。負担が重ければ、代行に任せて施術に集中する選択肢もあります。

よくある質問

国保と後期高齢は、別々に送るのですか?
封筒は同じでOK。同じ都道府県の国保連合会宛てに、国保の束→後期高齢の束の順で重ねて封入します。市区町村がバラバラでも、連合会が振り分けてくれます。
郵送方法に決まりはありますか?
普通郵便でも送れますが、枚数が多く大切な書類なので、追跡できるレターパックライトなどが安心です。万一の紛失時にも状況を確認できます。
締め日を過ぎたら、その月はもう請求できませんか?
多くは翌月分にまわして請求できます。ただし入金は遅れます。原則は毎月きちんと締めに間に合わせ、月初発送を習慣にするのがおすすめです。
医療助成の送り先が分かりません。
助成は自治体ごとにルールが違います。「(開業地の市区町村名)+医療費助成+請求」で役所ページを検索し、担当窓口と様式を確認しましょう。対象外エリアは請求できないこともあります。
この記事のまとめ
  • 送り先は「①国保・後期 ②協会けんぽ ③組合・共済 ④医療助成」の4つに仕分ける
  • 国保・後期は同じ県の国保連合会へまとめて送る(市区町村へ直送はNG)
  • 協会けんぽは都道府県の支部へ、組合・共済は各組合へ直接送るだけ
  • 医療助成は自治体ごとに様式が違い、対象外エリアは請求できないことも
  • 締めは多くが毎月10日ごろ。控えを残し、月初発送を習慣にする

まだ申請書づくりが不安な方は、前編 個人請求のやり方①【準備編】 からどうぞ。

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