健康保険の個人請求のやり方①【印刷準備編】|接骨院の個人院向け

「開業して、保険の個人請求をやってみたい。でも、やったことがなくて不安…」。そんな個人院の先生へ。個人請求は「準備 → 印刷 → 発送」の3ステップに分けると、ぐっと分かりやすくなります。この記事では最初の関門【印刷準備編】を、そのまま真似できるチェックリスト形式でまとめました。発送のやり方は別記事に続きます。

亜由美先生
亜由美先生個人請求って、接骨師会に入らないで自分で保険者に出す…ってことですよね?何を準備すればいいのか、そもそも分からなくて。
篠原先生
篠原先生そうです。会を通さず、自分で保険者へ療養費支給申請書を送る方法ですね。じつは”準備の型”さえ作れば、あとは毎月くり返すだけ。今日はその型を一緒に作りましょう。
目次

まずは全体像。「準備編」はどこ?

個人請求の作業は、大きく3つのステップに分かれます。この記事で扱うのは、いちばん最初の「準備」のところ。ここでレセプト(療養費支給申請書)をそろえ、印刷まで済ませます。ポスト投函や保険者への送付は、次の【発送編】で解説します。

個人請求 全体の流れ(この記事は「準備」まで)
① 準備
書類をそろえる
② 印刷
レセプト出力
③ 発送
別記事で解説
この記事は①②まで。③の投函・送付は【発送編】に続きます。焦らず、まずは書類をそろえるところから。

用意するもの【準備物チェックリスト】

個人請求で必要になるものは、じつはそれほど多くありません。下のチェックリストをそのまま印刷して、そろっているか確認してみてください。一度そろえれば、毎月使い回せるものがほとんどです。

1
封筒(長3・茶封筒):ごく普通のもので大丈夫です。100均でもOK。使う枚数が多くなるなら、ネットでまとめ買いした方が割安になります。
2
レターパックライト:追跡が付く送付手段。請求額が高いとき(目安として3万円以上)に使うと安心です。少額のうちは普通郵便でも構いません。
3
ラベルシール(宛名用):宛先(保険者)と自院名を印字して貼ります。レセコン対応の面付けかどうかを、注文前に必ず確認しましょう。
4
個人請求用のレセプト用紙会(接骨師会)の情報が入っていない様式が必要です。レセコン会社に注文するのが確実。厚労省サイトの「様式第5号」からも作成できます。
5
レセコン(レセプトコンピュータ):患者さんの個人情報を扱うため、途中の乗り換えがしにくいのが特徴。3社ほど比較してから選ぶのがおすすめです。
封筒・ラベル・用紙は消耗品なので、少し多めにストックしておくと、月末に「足りない!」と慌てずに済みます。特に個人請求用の様式(会情報なし)は、手配に日数がかかることがあるので早めに。

封筒とレターパック、どう使い分ける?

送付手段は「金額」で選ぶのが基本です。少額なら普通郵便(長3封筒)、高額なら追跡付きのレターパックライト。届いた・届いていないのトラブルを防ぐため、金額が大きい月ほど追跡付きにしておくと安心です。

送付手段の使い分け(目安)
追跡あり 長3・普通郵便 レターパックライト 少額のとき 高額(3万円〜)のとき
金額の大きい月は追跡付きが安心。ルールを自分で決めておくと、毎月迷いません。

月次の準備手順【毎月くり返す3ステップ】

準備物がそろったら、あとは毎月同じ流れをくり返すだけです。月末〜月初に、次の順で進めます。この型を一度作れば、翌月からは流れ作業になります。

1
1か月分を締める
2
レセコンで作成
3
印刷して確認
STEP1
1か月分の施術を締める:その月に保険施術した患者さんのカルテ・回数・金額を確定させます。月をまたいだ入力もれがないか、ここでチェック。
STEP2
レセコンで療養費支給申請書を作成:保険者ごとに申請書がまとまるよう出力設定します。入金先(口座)情報が正しく入っているか、この段階で必ず確認を。
STEP3
印刷して目視チェック:氏名・保険者・金額・押印欄を1枚ずつ確認。ここまで終われば、あとは【発送編】で封入して送るだけです。
篠原先生
💡 ここが個人請求で一番大事

会に入っていた頃は、入金先が会の口座になっているはずです。個人請求に切り替えたら、必ず自分(自院)の口座に変更してください。ここを直し忘れると、療養費が自分の手元に入ってきません。

レセプト(療養費支給申請書)を印刷する

印刷そのものは、レセコンから出力するだけ。個人請求でも、会への請求でも、印刷の手順自体は同じです。違うのは中身、とくに入金先情報のところです。

印刷時のチェックポイント

入金先の口座:会の口座のままになっていないか。個人請求では自分(自院)の口座に。
押印・署名欄:施術証明欄など、押印や署名が必要な箇所を印刷後にチェック。もれると差し戻しの原因に。
枚数・保険者ごとのまとまり:保険者ごとに申請書がそろっているか。ページ抜け・重複がないか確認。
様式:会情報の入っていない個人請求用の様式で出ているか。ここが会の様式だと出し直しになります。

法人で法人口座に入金する場合の注意

とくに気をつけたいのが、法人として法人口座に入金するケースです。この場合、施術証明欄に次のような委任の文言が必要になります。

記載例

株式会社〇〇 代表取締役〇〇(住所)に委任します

ポイントは、個人事業主と同じ人が代表であっても、法人は”別人格”として扱われるということ。だからこそ、受け取りを法人に委任する旨の一文が要るわけです。この委任文言も、レセコン会社に依頼すれば印刷してもらえます。自分で毎回手書きする必要はありません。

亜由美先生
亜由美先生同じ自分なのに、法人だと委任の文言がいるんですね。知らずに出したら、差し戻されそう…。
篠原先生
篠原先生そこは最初につまずきやすいポイント。だから、様式を注文するときにレセコン会社へ「法人口座で個人請求したい」と伝えておくのが確実ですよ。

まとめ:準備の型さえできれば、あとは毎月くり返すだけ

印刷の準備は、通常の書類発送とそう大きくは変わりません。違いは「会を経由するか、自分で直接出すか」だけ。用意するものをそろえ、入金先と様式さえ間違えなければ、あとは毎月同じ流れをくり返すだけです。一度覚えてしまえば、決して難しくありません。準備ができたら、次は【発送編】へ進みましょう。

法人で個人請求する場合も基本の手順は同じですが、申請書の名義など細かな記載が変わることがあるので、様式の記入例を確認しましょう。レセコン(請求ソフト)は、対応保険者・サポート・料金で選ぶのが基本。まずは無理のない範囲で始めれば十分です。

よくある質問

個人請求用のレセプト用紙は、どこで手に入りますか?
レセコン会社に注文するのが確実です。「会の情報が入っていない、個人請求用の様式で」と伝えてください。厚生労働省サイトの「様式第5号」からも作成できます。手配に日数がかかることがあるので、早めの準備がおすすめです。
封筒は普通の茶封筒でいいのですか?
はい、長3の茶封筒でOKです。100均のものでも問題ありません。ただし請求額が高い月(目安3万円以上)は、追跡が付くレターパックライトにしておくと、届いた・届かないのトラブルを防げます。
個人請求と会への請求で、印刷の手順は違いますか?
印刷の手順自体は同じです。違うのは中身、とくに入金先の口座情報です。会に入金されていた場合は、自分(自院)の口座へ変更するのを忘れないでください。
この記事のあと、発送は何をすればいいですか?
印刷まで終わったら、申請書を封入し、保険者ごとに送付します。宛先やまとめ方、送るタイミングなど、発送の具体的な手順は【発送編】でくわしく解説しています。
この記事のまとめ(印刷準備編)
  • 個人請求は「準備 → 印刷 → 発送」の3ステップ。この記事は準備〜印刷まで
  • 用意するもの:封筒(長3)・レターパックライト・ラベルシール・個人請求用のレセプト用紙・レセコン
  • 用紙は「会情報なし」の様式で。レセコン会社に注文するのが確実(厚労省 様式第5号でも可)
  • 印刷で最重要なのは入金先の変更。会の口座のままにしない=自分(自院)の口座へ
  • 法人で法人口座に入金するなら、施術証明欄に委任の文言が必要(レセコンで印刷可)

個人請求にするか、接骨師会に任せるか迷っている方は 個人請求と接骨師会どっちがいい?(比較) もどうぞ。

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