前に「手取りは働き方でコントロールできる」とお伝えしました。今日はその核心――独立・業務委託になると使える”合法的な節税”の話です。あやしいテクニックではありません。国が用意した制度を、知って使うだけ。同じ稼ぎでも、知っている人と知らない人で、年間の手取りが数十万円変わることも珍しくありません。
なぜ独立・業務委託だと手取りが増える?
理由はシンプルで、「経費」を引いてから税金が計算されるから。会社員は、給料のほぼ全体をもとに税金や社会保険が決まります。一方の個人事業主(独立・業務委託)は、売上から「事業に必要な経費」を引いた残りにだけ税金がかかるんです。会社員はこの「経費を引く」ができないのが、いちばん大きな違いです。
治療家の”経費”になるもの
「経費」とは、売上をつくるために必要な支出のこと。治療家なら、こんなものが経費になります(=その分、税金の対象が減る)。「これも経費になるの?」と驚くものも多く、知っているだけで得をする世界です。
たとえば年間の経費が100万円あると、その分「税金の対象」が100万円小さくなります。所得税・住民税をあわせた負担が仮に20〜30%なら、ざっくり20〜30万円の節税に。自己投資しながら税金も減る――これが会社員にはない強みです(※税率は所得により変わります)。
使わないと損する「3つの制度」
経費のほかにも、独立・業務委託だから使える”節税しながら将来のお金も貯まる”制度があります。どれも申し込みは意外とかんたんで、早く始めるほど得。代表的なのがこの3つです。
たとえば掛金を月3万円で20年続けると、積み立てる額は720万円。この掛金は毎年ぜんぶ所得控除になり、税金を減らしながら、将来まとまった額を受け取れます。「節税」と「将来の備え」を同時にできるのが、この制度の強力なところです。
ただし「節税」と「脱税」は全然ちがう
ここは絶対に押さえてください。合法の”節税”と、違法の”脱税”はまったくの別物です。プライベートの旅行や食事を経費にする、売上をわざと少なく申告する――これらは脱税で、後で重いペナルティが来ます。あくまで「事業に本当に必要な支出」だけが経費。堂々とできる範囲でやるのが鉄則です。判断に迷うグレーな支出は、税理士や税務署に確認しておくと安心です。
節税は「稼ぐ力」と並ぶ“守りの経営スキル”。同じ売上でも、知っているだけで手元に残るお金が変わります。まずは「こういう制度がある」と知ることが第一歩です。
経費が増えるほど、節税額も増える
経費と、それによって減る税金(節税額)の関係をイメージにすると、こうなります(税率25%で計算した例)。
そのほか、よく聞かれる点をまとめます。会社員の副業でも、事業と認められる範囲なら経費は使えます。インボイスや消費税は、売上1,000万円以下なら当面は気にしすぎなくてOK。赤字の年でも、申告しておくと損失を繰り越せて有利です。家族に手伝ってもらった分も、青色申告なら”専従者給与”として経費にできます。
よくある質問
今日の一歩:レシートを「捨てずに取っておく」
いきなり全部やる必要はありません。今日からできる一歩は、仕事に関わるレシート・領収書を、捨てずに1か所(封筒でもOK)に入れておくこと。独立・業務委託になった瞬間、それが“節税の証拠”=お金に変わります。会社員のうちから習慣にしておくと、いざという時にスムーズです。スマホで撮って保存するだけでもOK。まずは「捨てない」を今日から始めてみてください。
- 独立・業務委託は「経費を引いてから課税」=税金の対象を小さくできる
- 研修・道具・家賃按分・通信・広告など、事業の支出は経費になる
- 青色申告・小規模企業共済・iDeCoは、節税しながら将来資金も作れる
- 合法の「節税」と違法の「脱税」は別物。事業に必要な支出だけを堂々と
※制度の要件・金額・税率は変わることがあります。実際の判断は、税理士や最寄りの税務署にご確認ください。
働き方の全体像は 独立開業の記事 もどうぞ。
