前に「手取りは働き方でコントロールできる」とお伝えしました。今日はその核心――独立・業務委託になると使える”合法的な節税”の話です。あやしいテクニックではありません。国が用意した制度を、知って使うだけ。同じ稼ぎでも、知っている人と知らない人で、年間の手取りが数十万円変わることも珍しくありません。
亜由美先生節税って、なんだか難しそうだし…ちょっとグレーで怖いイメージもあります。
篠原先生そこ、大事な誤解です。今日話すのはぜんぶ合法で、堂々とできるものだけ。むしろ知らないと”払いすぎ”になってしまうんですよ。
目次
なぜ独立・業務委託だと手取りが増える?
理由はシンプルで、「経費」を引いてから税金が計算されるから。会社員は、給料のほぼ全体をもとに税金や社会保険が決まります。一方の個人事業主(独立・業務委託)は、売上から「事業に必要な経費」を引いた残りにだけ税金がかかるんです。会社員はこの「経費を引く」ができないのが、いちばん大きな違いです。
“税金の対象”が、こんなに変わる
同じ売上でも、経費を引ける個人事業主は「税金がかかる部分」を小さくできる。これが手取りが増える正体。
治療家の”経費”になるもの
「経費」とは、売上をつくるために必要な支出のこと。治療家なら、こんなものが経費になります(=その分、税金の対象が減る)。「これも経費になるの?」と驚くものも多く、知っているだけで得をする世界です。
経費
技術セミナー・研修費:受講料はもちろん、会場までの交通費や宿泊費も。学べば学ぶほど節税になるのが独立のいいところ。
経費
専門書・施術道具・消耗品:勉強のための本、ベッド、タオル、油、衛生用品など、施術に使うものは経費に。
経費
家賃・光熱費(按分):自宅の一部をサロンや事務作業に使うなら、面積などに応じた割合を経費にできます(家事按分)。
経費
通信費・交通費・車:仕事用のスマホ・ネット、移動のガソリン代や電車代など、事業に使った分。
経費
広告・販促費:ホームページ制作、チラシ、名刺、予約システムの利用料なども経費です。
💰 経費で税金はどれくらい減る?
たとえば年間の経費が100万円あると、その分「税金の対象」が100万円小さくなります。所得税・住民税をあわせた負担が仮に20〜30%なら、ざっくり20〜30万円の節税に。自己投資しながら税金も減る――これが会社員にはない強みです(※税率は所得により変わります)。
使わないと損する「3つの制度」
経費のほかにも、独立・業務委託だから使える”節税しながら将来のお金も貯まる”制度があります。どれも申し込みは意外とかんたんで、早く始めるほど得。代表的なのがこの3つです。
制度
青色申告:きちんと帳簿をつけて申告すると、最大65万円を所得から差し引ける(青色申告特別控除)。赤字を翌年以降に繰り越せる特典も。やらない理由がないレベルの節税です。
制度
小規模企業共済:毎月の掛金(1,000〜70,000円)が全額所得控除。しかも将来、廃業・引退時にまとめて受け取れる=自分でつくる退職金です。
制度
iDeCo(イデコ):老後資金の積立をすると、掛金が全額所得控除に。将来のお金を用意しながら、今の税金も減らせます。
💰 「小規模企業共済」のインパクト
たとえば掛金を月3万円で20年続けると、積み立てる額は720万円。この掛金は毎年ぜんぶ所得控除になり、税金を減らしながら、将来まとまった額を受け取れます。「節税」と「将来の備え」を同時にできるのが、この制度の強力なところです。
ただし「節税」と「脱税」は全然ちがう
ここは絶対に押さえてください。合法の”節税”と、違法の”脱税”はまったくの別物です。プライベートの旅行や食事を経費にする、売上をわざと少なく申告する――これらは脱税で、後で重いペナルティが来ます。あくまで「事業に本当に必要な支出」だけが経費。堂々とできる範囲でやるのが鉄則です。判断に迷うグレーな支出は、税理士や税務署に確認しておくと安心です。
💡 ここがポイント
節税は「稼ぐ力」と並ぶ“守りの経営スキル”。同じ売上でも、知っているだけで手元に残るお金が変わります。まずは「こういう制度がある」と知ることが第一歩です。
亜由美先生なるほど…!学びも道具も経費になって、しかも将来のお金まで貯まるんですね。独立って、こういう自由があるのか。
篠原先生そう。だから「稼ぐ」だけでなく「残す」も設計できる。ここを知っているかどうかで、5年後・10年後の資産が大きく変わりますよ。
経費が増えるほど、節税額も増える
経費と、それによって減る税金(節税額)の関係をイメージにすると、こうなります(税率25%で計算した例)。
年間の経費 → 節税額のイメージ
自己投資(学び・道具)が増えるほど、節税額も増える。会社員にはない強み。
よくある質問
どのくらい稼いだら、独立・業務委託がお得?
目安は人により違いますが、経費や制度をフル活用できるほど差は大きくなります。まずは今の働き方で「経費になりそうな支出」がどれだけあるか、洗い出してみるのがおすすめです。
確定申告って、やっぱり難しいですか?
最初は戸惑いますが、今は会計ソフト(freeeやマネーフォワード等)を使えば、質問に答える形でかなり自動化できます。日々のレシート管理さえしておけば、思うほど大変ではありません。
税理士さんは必要?費用はどれくらい?
売上が小さいうちは自分でも十分可能。事業が大きくなってきたら、顧問(月1〜3万円程度〜)を検討すると、節税アドバイス込みで結果的に得になることも多いです。
会社員の副業でも、経費は使えますか?
副業が「事業所得」として認められる規模なら、副業に関する経費は計上できます。ただし判断が難しいケースもあるので、迷ったら税務署や税理士に確認を。
「インボイス」や消費税はどうなるの?
売上1,000万円以下なら基本は消費税の免税事業者。ただしインボイス登録をすると課税事業者になります。取引先との関係で変わるので、独立時に一度整理しておきましょう。
その年が赤字でも、申告したほうがいい?
はい。青色申告なら、赤字を翌年以降(最大3年)に繰り越せます。黒字が出た年の税金を減らせるので、赤字の年こそ、きちんと申告する価値があります。
家族に手伝ってもらった分は経費になる?
条件を満たせば「専従者給与」として経費にできます(青色申告の場合)。事前の届け出が必要なので、家族が事業を手伝うなら早めに調べておきましょう。
開業したら、まず何をすればいい?
税務署へ「開業届」と「青色申告承認申請書」を出すのが第一歩(これだけで青色申告の特典が使えます)。あとは会計ソフトを用意して、レシートを貯め始めればOKです。
確定申告や記帳、「めんどう」「不安」ではありませんか?
数字が苦手でも大丈夫。GENKOの記帳代行におまかせすれば、面倒な帳簿づけから解放され、本業(施術)に集中できます。節税のアドバイスも受けられます。
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今日の一歩:レシートを「捨てずに取っておく」
いきなり全部やる必要はありません。今日からできる一歩は、仕事に関わるレシート・領収書を、捨てずに1か所(封筒でもOK)に入れておくこと。独立・業務委託になった瞬間、それが“節税の証拠”=お金に変わります。会社員のうちから習慣にしておくと、いざという時にスムーズです。スマホで撮って保存するだけでもOK。まずは「捨てない」を今日から始めてみてください。
この記事のまとめ
- 独立・業務委託は「経費を引いてから課税」=税金の対象を小さくできる
- 研修・道具・家賃按分・通信・広告など、事業の支出は経費になる
- 青色申告・小規模企業共済・iDeCoは、節税しながら将来資金も作れる
- 合法の「節税」と違法の「脱税」は別物。事業に必要な支出だけを堂々と
篠原先生稼ぐ力を磨いたら、次は”残す力”。節税は、あなたの努力を無駄にしない技術です。
亜由美先生まずはレシート貯金から始めます!なんだか独立が、ちょっと楽しみになってきました💪
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※制度の要件・金額・税率は変わることがあります。実際の判断は、税理士や最寄りの税務署にご確認ください。
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