独立開業?会社勤め?フリーランス?治療家の働き方のメリットデメリットといったテーマで記載していきます。この記事ではフリーランスのメリットデメリットについてです。
ここでいうフリーランスとは、会社や団体などに所属せず、仕事に応じて自由に契約する人のことです。ここでは独立開業で店舗を構えるのではなく、会社の従業員ではなく働く人について解説します。
ある程度の自由度が効き、開業と違って初期投資リスクの少ない働き方は魅力的です。
メリットデメリットは独立開業に近いものがあるかもしれません。しかし、自分で店舗を構える独立開業と比べて初期費用が無いため、リスクが抑えられます。
フリーランスのメリットデメリットについて記載していきます。
フリーランスのメリット
メリット
・給与の上がり幅は勤めている時と比べると大きい
・自分で時間を調整できる
・仕事(会社)の中では上司はいない
・経費になるものが多くある
・社会保険料の調整が勤めている時よりもしやすい
順番に見ていきましょう。
給与の上がり幅は勤めている時と比べると大きい
フリーランスでは、契約によってお金が多く貰える可能性が増えます。
会社では基本的には『時間給』によって給与が決定しました。
1時間約1000円は従業員に払わないといけないと国が最低賃金を決めており社会的に労働者が守られているところでもあります。
しかし、裏を返せば生産性が低い従業員にも一定の給与を支払わなければならず、生産性の高い従業員の利益分を他に配分しないといけないところがあります。
フリーランスで活動すれば、自分の売上に対する責任は全て自分のものになります。
フリーランスは原則『能力給』です。様々な会社との契約内容があるとは思いますが売上の50%など、売上によって給与が変わります。
売上の何%を貰えるという契約は、逆に取られている何%は企業側が負担している土地代や、光熱費、広告費等の固定でかかってる費用です。これらのリスクを企業に負担してもらっていることで手数料を取られますが、その分自分のリスクを下げています。大体これらの手数料は40%から60%ぐらいが相場かと思います。
報酬額が売り上げの50%で月の売り上げが例えば100万であれば、給与50万円、200万円あれば給与100万円になります。
これが、通常の従業員であれば売り上げが30万円であろうが100万円であれば一定の金額になります。
自身の技術力が少なかったり、契約する会社の業績が悪かったりした場合は、働いていた時よりも給料が減る可能性がありますが、上り幅は正社員以上です。
自分で時間を調整できる
会社の正社員では時間給の場合には必然的に時間の拘束が発生します。
雨の日などでも原則決められた時間に行かなくてはならなく、拘束時間が多くあります。
フリーランスでは原則営業時間を自分で決められます。
土日を大切にするのであれば、土日休みにしてもいいですし、平日休みが良ければ、平日に休みを入れても問題ありません。
場所によって土日の利用者が多い地域では、土日だけ働いて平日をほとんど休みにすることも出来るかもしれません。
家族がいれば家族の都合に合わせることもできます。
時間の使い方が自分で決められるのは大きなメリットです。
仕事(会社)の中では上司はいない
あくまでもトップが自分になります。
会社にいると、治療の方針でも先輩や社長と意見が違う場合は自分の考えと違うことをしなくてはいけないこともあると思います。
フリーランスで働く場合はそういったこともありません。
契約する会社と最初契約書上で取り決めをしてしまえば、
基本的には自分が思ったようにやれます。
ただし、契約する会社との関係は言うまでもなく大切にしなくてはなりません。
契約先が禁止しているような手技がある場合はしないようにしましょう。
フリーランスになることでよく聞くパターンは
今までいた会社 → 業務委託契約(フリーランスでの契約)で残って欲しい
というものをよく聞きます。
この時点で上司と部下の関係ではなく、企業と企業(個人)の関係になります。
お互いに独立した立場になることで自分のやりたいことへの自由度は上がります。
経費になるものが多くある
経費になるものが多くなるということは結論から言うとその分手取り収入が増えるということです。
例えば、同業者との飲み会で飲みに行ったときには、
通常会社員ですと自分がお金を払います。それは税引き後(所得税等をひかれた後)のお金です。
しかし、フリーランスになると、同業者との交流、情報交換。接待などは仕事に関係することに関しては経費となります。
その他にも、自分で勉強会に行った場合や仕事に関する書籍代などが経費となり、税金が引かれる前に所得から差し引かれます。
例えば、それらの経費が年間20万円あったとして、
所得税20% 住民税10% の所得であれば、手取り額として年間6万円違います。
更に所得額が増えると社会保険料も上がってきますので、年間で10万円近く使えるお金が変わってきます。
同じ年収で同じ行動でも手取り額が数十万円変わってくることがあります。
社会保険料の調整が勤めている時よりもしやすい
メリットの最後に、経費の部分と少し重複しますが、
フリーランスをうまく活用すると社会保険料が抑えられます。
詳しい説明は別記事で記載しますが、
社会保険料は「給与所得」と「事業所得」があった場合、
給与所得のみにかかります。
これらを考慮して、上手な経営者は社会保険料を抑えることが出来ます。
それは、『マイクロ法人』+『個人事業』とすることです。
例えば収入が400万円あった場合、
マイクロ法人+個人事業で社会保険料を最適化すると年間負担額は
約26万円になります。
一方サラリーマンの場合ですと、会社負担分を含めて、
年間約115万円になります。(労使折半なので給与から引かれる分約57.5万円)
税金だけでなく社会保険料を最適化することで手取り収入はより多くなります。
フリーランスのデメリット
デメリット
・下手したら無収入
・会社がやってくれていたことも自分でやらないといけない
・病気などで働けなくなった場合、会社員よりリスクが高い
・契約を打ち切られる可能性がある
下手したら無収入
会社員時代は売り上げが下がっても給与は入ってきました。
しかし、フリーランスになるとそうはいきません。
患者さんが0人であればその日の給与は0円です。
ただし、独立開業と比べて赤字となることは原則的にありません。
売上の何%を貰えるという契約をしていると、取られている何%は企業側が負担している土地代や、光熱費、広告費等の固定してかかってる費用です。リスクを契約先企業にとってもらっている分、自分がマイナスになることはありません。
赤字になる可能性がある独立開業よりはリスクが少なく、固定給を貰える会社員よりはリスクが高いです。
リスクをとっている以上、あり得る可能性ですが、収入が無い月も覚悟しないといけません。
逆に売り上げが大きく上回る月もあるので、不安になる必要はありませんが、
結構精神的にもつらいところがあるので、平均的に収入が入って来ないということは覚悟しておいた方が良いでしょう。
会社がやってくれていたことも自分でやらないといけない
会社にいるときは確定申告をする必要はありませんでした。
また、お金の計算も経理担当がいて会社がやってくれていましたが、
フリーランスの場合は自分でやらないといけません。
それらを基本的には自分でやる必要があります。
自分でやらないで外注でやることもできますが、この場合、委託先が大事になってきます。
経理など適正な価格を知らないと無駄に費用がかさむ場合がありますので、出来れば数社に話を聞いてみるのがいいと思います。
フリーランスになる際に増えるかもしれない作業を確認しておくのがおススメです。
病気などで働けなくなった場合、会社員よりリスクが高い
フリーランスになると、自身は雇用保険に入れません。
また、原則は労災保険に加入することは出来ません。
会社員であると失業保険や労働中の怪我では保障されますが、ケガをしたり失業しても何ももらえません。
生活費としてある程度の蓄えをしておく必要があります。
契約を打ち切られる可能性がある
場所を提供して貰っていた会社に契約を打ち切られる可能性があります。
従業員と会社の関係ではなく、経営者と経営者の関係なので労働法によって保護されていません。
従業員ではない自由があり、開業をするのよりも初期費用が少ないというメリットがありますが、
あくまで場所を借りたりして行うため、契約企業の方針が変わったり、その企業自体が撤退したりした場合は、自分でどうしようもありません。また新しい契約先を探す必要があります。
フリーランスのメリットデメリットまとめ
フリーランスのメリットデメリットについて記載しました。
いい企業やレンタルスペースを利用すれば、リスクも少なく頑張りに応じて所得も増えます。
独立開業のように最初に開業費用を必要でない分、リスクが抑えられます。
サラリーマンではプレイヤーでいると給与が上がらないところも少なくありません。
世の中には大きく分けて『時間給』と『能力給』があります。
一般的な会社の多くは時間給にちょっとの能力給を足しているのが通常で、多くが時間給に左右されます。
『時間給』の頭で働いているうちはサラリーマンで働いているのが一番良いと思います。
そこから『能力給』について考え、会社員でいるうちに売り上げが自分であげられるようになり、自分の能力に見合った給料が欲しい場合には、フリーランスがおススメです。
フリーランスに似たものに独立開業がありますが、独立開業は経営者として別の勉強が増えます。
経営者になるということは転職することと同じくらい別の勉強が必要になってきます。
治療家として現場だけで食べたいのであれば独立開業は苦労が増えるのでしない方が良いです。
適正なリスクをとれる治療家の人生として収入面も時間の使い方もフリーランスはおススメ出来る選択肢だと思います。
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